世界経済を動かしているともいわれているユダヤ人。
彼らは2000年もの間迫害を受け続けていたのにも関わらず、すべての分野において非常に優秀な成果を収めている。
彼らは、緻密な計算により、合理的に、そして論理的にビジネスや仕事を進めていく。
このユダヤの商法にはそのノウハウが詰まっている。
日本マクドナルドの創業者であり、日本人としてユダヤの商法を実践してきた著者だからこそビジネスでは何をすれば、成功できるかということが書かれている。
女と口を狙え!
ビジネスで成功するには2つのターゲットを絞る必要があるとユダヤ人は教えている。
その2つとは、女と口だ。
何故この女と口が重要なのかというと、消費活動は主にこの2つの要因が大きく絡んでくるからである。
まず女についてだが、基本買い物も贅沢品を買うのも女がよくする行動だ。
買い物をすることによって、女はストレスを発散している。
それは男も当てはまらないかと思うかもしれない。
だが頻度でいうと女のほうが圧倒的にお金をつか不頻度(使わなければいけない頻度)が多い。
世の中の男性にはかわいそうな話だが、男が稼いできたお金を奥さんにどんどん消費してもらっているのだ。
(それで日本経済が回っているのならそれもまた社会貢献のはず。。。)
それに男はお金を使う時間がない。
ひとにもよるが男性は年を取るにつれて、新しい友人を作ることが苦手になっていく。
女性は女社会の中(奥さんづきあいとか近所づきあいとか)で、コミュニケーション能力を磨き、新たな人間関係を作っていく。
友人が少なければ必然的にお金を使う頻度も減ってくる。(お金の節約にはなるが。。)
よくドラマで見るママ会なんて散財の根源だ。
それを知っているからユダヤ人は女性をターゲットに絞る。
次に口だ。
口とは口に入れるものはすべてだ。
飲食店やバー、クラブなんかも含まれる。
口にかかわるものが設ける理由としては、人間の欲求に忠実だからだ。
食べたもの消化され、また食べなければ人間は満足できない。
一日3食も食事をとるのだから、お金を自然と使うのもうなずける。
食というのは、際限がない。
ユダヤ人はこの女と口をビジネスの切り口として成長させてきた。
【感想】
ユダヤ人のビジネスに対する、お金に対する執着心のすごさを知ることができた。
日本ではお金稼ぎをすることは美徳とされない文化がある。
お金を稼ぐのではなく、それを社会に還元すべきだという教えのもとエリートは官僚や国家公務員になり日本のために尽くす。
これが今までの日本のあるべき姿だった。
ただ藤田氏はこれを真っ向から否定している。
保守的になるな若者よと。
確かに国のために働くといえば、聞こえはいいかもしれないが、実際それは建前でテレビを見ていても汚職事件などは後を絶たない。(中には本気で日本を変えたいと思っている人もいるが)
それではエリートといわれる人の役目を果たせていない。
エリートが国民の税金をもらって安定に暮らすのではなく、自ら事業と雇用を創出し、稼いで税金を納め、国に奉仕せよと藤田氏はいう。
この言葉には確かに!と共感した。
努力して勉強すれば、安定は手に入れられる。
ただ挑戦せずに安定ばかりを選んでしまう人が日本社会に増えたら、日本は衰退するばかりである。
最近書店では、楽する生き方の本。自由に自分らしく生きる本があふれかえっている。
その生き方を否定しているわけではないし、私自身もそんな生き方にあこがれを抱いている。
でも、みんながみんなその方向へ向かっていけば、自分だけがよければという考えになってしまっては、日本が抱える問題はだれが対処するのか。
自分だけ好きなことをして、楽をしてもいいのかとそんな風にも思った。
稼ぐことはよくないことだと思われてしまう。周囲からの反感を買ってしまうような社会だけど、稼げる人がいて、税金を納めているから成り立っているのも事実だ。
だからこそ本書を通じて、多くの人が稼げるように、豊かになれるように藤田氏はユダヤの商法を発信しているのだと私は思う。
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