深く暗い闇の中、社会に憤りを感じ、未来に希望もなくただ刹那的に生きる選択を強いられている彼女たちを生んでしまったのは誰か。
社会には目をそむけたくなるほど残酷な事実がこれでもかというほど存在している。
その社会の闇の部分に目を向けずに安全地帯で生きることはある意味では幸せなのかもしれない。
暗い社会に干渉するほど私たちは暇ではないし、今日こんな記事を読んでいる暇があるのであれば、面白いYouTubeを探したり、ネットフリックスでドラマの続きを見ているほうがよっぽど気楽だ。
それでもこのタイトルを見たときに読まずに入られなかった自分がいるのは間違いない。
自分の立場から何ができるのか。
この現実を知って、どう考えるのか。
臭いものには蓋をしろというが、ふたをした結果、中で腐敗が進み、次に開けるときには取り返しのつかない状態になってしまう。
そんな状態を防ぎたかったのかどうかは定かではないが、この作品を作り上げたライターは自分の中の正義をもって、社会に対して警鐘を鳴らしたかったんだと思う。
何かおかしいぞ日本。と。
本書では、貧困がゆえに体を売らなければいけない状態に陥った若者たちが次々と登場してくる。
読んでると息が詰まりそうになることもある。
それでも今社会で、日本で何が起きているのかしっかりと目を向けなければいけない。
行動を起こすことができなくても、知らなければいけない。
世の中でないが起きて、どのように変わってきているのかということを。
1日にして、日本社会が衰退するということはない。
少しずつ、今日も少しずつ社会は崩れかかっている。
それを他人事と目を背けるのは簡単かもしれない。
まずは自分のことと耳をふさぐのは楽かもしれない。
それでも厳しい現実の世界で戦っている人がいるということ。
その現実を伝えようとしている人がいるということ。
それだけは知っておいてほしい。
全ての人にお勧めできる一冊ではないが、将来世界に誇れる希望のある国のために目を向けなければいけない現実がそこにはあった。