日本の音楽業界は衰退産業といわれている。
昔は誰もがCDを買って、テレビにかじりついて音楽番組を見ていた。
しかし、現代において音楽は無料で簡単に聞けるものとなった。
ネットの登場が音楽業界のビジネスモデルを変革したのである。
ネットが普及したせいで音楽が誰でも簡単に手に入るようになり、音楽で飯を食っていくことが難しくなったと否定する声もあるが、必ずしもマイナス面だけではない。
ネットが普及したことによって、真の意味での実力勝負になったのである。
今まで音楽業界では、実際の音楽の実力以外の政治的パワーバランスが大きく関係していた。
音楽で稼げていた時代はそれでもよかった。
しかし、慢心からは成長は生まれない。
既得権益の中で、回す音楽業界は成長どころかどんどんと衰退していったのである。
代り映えしないアーティスト。
どこまで行ってもドメスティックな音楽活動。
日本は少子化といえ、人口1億人以上で経済としても先進国上位レベルなので、不幸にも国内でのビジネスで回ってしまう。
音楽業界に限ったことではないが、国内でビジネスが回ってしまうことがあだとなり、グローバル化が遅れ、今や隣の国の韓国にエンタメ、音楽においても大きな差をつけられてしまった。
ITの遅れと同じように、音楽においても二の足を踏み、いまがまさにこれからの日本の音楽業界の明暗を分ける瀬戸際にある。
日本の音楽も実力一つでいえば、世界にも引けを取らないと個人的には感じている。
ただ世界への発信力、目の向け方、活動の拡大がほかの国と比べ、全く視点が違う。
J-POPなのだから、わざわざ海外で勝負することはないという意見があるのも重々承知である。
その主張も至極全うなものかもしれない。
ただ、このまま日本だけの音楽をやっていれば、いずれ音楽業界に流れ込むマネーは枯渇し、誰も音楽業界を目指すような人がいなくなってしまう。
かつて小学生のなりたい夢ランキング1位がアーティストだったころのように、皆が希望をもって、音楽の道へ進む未来を創っていきたい。
そのために今どのような音楽が必要なのか。
どんなアーティストを応援すべきなのか。
音楽の感じ方は人それぞれで誰かに強制されるものではないが、音楽の見方感じ方として、持っておいても損はない考え方なので、今回の日本の音楽業界のこれからに関しては、頭の片隅には残しておいてほしい。