北風小僧の本で得た得する知識

日々の日常体験を元に記事を書いて行こうと思います。読書レビューも更新していきます!

3000円の使い方【レビュー】 ~コスパ良く生きたい人~

 

今日は3000円の使いかたという原田ひ香さんのレビューをしていきたいと思います。

本スキの人なら、書店などで平積みされているところを目にされた方もいるのではないでしょうか。

文章も読みやすく、小説形式になっているので、どんな人でも抵抗なく読んでいただけるかと思います。

 

基本的には、お金の使い方についてある家族を通じて、気づきを与えてくれる構成になっています。

最近はいろんなお金本がでていますが、形式的にならずに実生活を通じて、自然とお金に対する考え方を学べるいい本だと思いました。

 

その中でも、費用対効果という章があったので、そこについて重点的に述べていきたいと思います。

 

費用対効果

 

費用対効果とは、自分が支払うお金に対して、どれだけ見返りを多くもらえるかという考え方がベースにあります。

昨今では、コスパなんて言い方もしますよね。

 

今はネットが普及しているので、なんでもネットで比較することができます。

何かものを買う時にでも、いろんな商品と比較検討することができます。

その中でいかに自分が支払うお金に対して多くの利益を得られるかが一種の命題にないつつあると思っています。

 

コスパよく生きたい人

 

私はこの費用対効果(コスパ)は、ものに対してだけの考え方と思っていましたが、今やあらゆることに対してあてはめて考えられているようです。

 

例えば、勉強。

勉強といってもいろんなものがありますが、どれが一番楽して、多くの利益を得られるかという考え方のもと、自分が勉強したいものを選ぶ人がいます。

本来、勉強とは自分の知的欲求を満たす高貴なものだと思っていますが、お金を稼ぐためのツールとして用いられることも珍しくなくなってきました。

例えば、有名な学校にテクニックを使って入るとか。

 

そのほかにも友達にもコスパをあてはめて考えてしまっている人もいるそうです。

最近は派生語としてタイパ(タイムパフォーマンス:時間対効果)という言葉までできている。

 

結婚のコスパ

 

日本でも社会問題となっている結婚。

では、コスパの観点から見て結婚コスパはいいものなのか?

 

結論的には、コスパ悪いと思います。

なぜなら、ひとりで使えるはずのお金も半分になりますし、使い道もお互い話し合って決めていかなければなりません。

時には不本意なお金の使い方をしなければ、ならずそれは決してコスパがいいとは言えません。

 

そのうえ、大切な時間も自分一人だけのために自由に使うことは難しくなってくるため、時間を思いっきり投下して、何かをするということに後ろ指をさされるような形になります。

(それは結婚相手にもよるかもしれませんが、少なからず時間の弊害はあるでしょう。)

 

家族を持つことのコスパ

 

結婚の次のイベントとしては、家族を持つこと。すなわち子供を持つこと。

これはどうなのでしょうか。

もちろん答えはコスパ良くありません。

手塩にかけて育てた子供であっても、まっすぐ親の言うとおりにどだってくれる保証なんてどこにもありませんし、逆に不幸になる可能性だって大いにあります。

何よりも圧倒的にお金がかかります。

 

結婚だけであれば、大人対大人なので、多少のわがままは許されるでしょう。

ですが、これが子供を持つと変わってきます。

 

果たすべき大人の責任というものが出てくるからです。

親として、立派な大人として子供をそだてあげなければいけません。

自分の時間をすべて注ぐくらいの勢いで時間を投下する覚悟がなければ、親なんて務まりません。

これまでの自分の娯楽の時間を削って、家族のために尽くす。

 

自由が制限される

 

ここまで述べてきたように、じぶんひとりだけでなく、誰かと生きる。

家族と生きるということは自由がなくなります。

今まで自分だけの面倒を見ていればよかったものが、他者の面倒も見る必要が出てくるからです。

 

自由が制限されることがコスパ良いのでしょうか。

費用対効果としてどうなのでしょうか。

特に自由を求めている人にとっては、考えるものがあるかもしれません。

 

それでもなお。

 

ここまでコスパのいい生き方ってなんだろ?というテーマで書いてきました。

 

人には人の考え方があり、どれが正しくて何が間違いなんていうものはありません。

自分がどう感じ、どう生きたいか。

ただそれだけなんです。

 

でも、それでもなお私は家族を持ちたい。

自由が制限されるとしても、誰かとともに生きたい。

 

私がそう感じるのは、誰かと生きる喜びを知っているからです。

時分より相手のために使える時間(命)は尊いものです。

 

相手のために何かをしてやりたい。

他者に貢献してやりたい。

 

それこそ美しい人間の姿ではないでしょうか。

 

確かに、結婚して家族を持つことは、時間や自由を奪われるかもしれません。

コスパ悪いかもしれません。

 

でも、そんなに費用対効果ばっか求めて、なんになるんでしょうか。

自由な時間があって、何がやりたいんでしょうか。

独りで至高の時間を過ごすより誰かとかけがえのない時間を過ごすほうが何にも代えがたい価値があると思います。

 

未知の世界へ

 

家族は自分の通りには生きてくれません。

だから面白いんじゃないでしょうか。

 

時分では絶対にしないような選択を勝手にどんどんしてくれて、面白い体験を疑似体験させてくれる。

新たな世界へと自分を導いてくれる。

 

いろんな世代の考え方。

いろんな地域の人とのめぐりあわせ。

そんなものを自然と引き寄せてくれるのが、家族なんだと。

 

だから、自分一人で生きるよりもいくらかも可能性が広がります。

 

人生にコスパを考えない。

 

コスパというものは、流行りかもしれませんが、人生にたいして、コスパという考え方は全く当てはまりません。

 

なぜなら、結局誰にもコスパのいい生き方なんてわからないからです。

自分の将来が決まってたら、あなたは今努力しますか?

 

アップルを創ったスティーブ・ジョブズは、かなり人生を遠回りしたような人でした。

大学で自分の専攻とは関係ない美術系の授業を受けたり、自分で作った会社を追い出されたり。

でもすべての出来事があったから今日ここまで偉大な企業を創ることができたんです。

 

だから全然コスパなんて悪くありません。

 

今一見遠回りしているように見えている人でも、それは未来の自分に絶対に役立つから。

そう思って、今を懸命に生きてください。

あの時手を抜かなきゃよかったなあ。

あきらめなければ、よかったなあ。

 

そう後で振り返りたくないですよね。

 

 

今は効率悪い生き方に見えるかもしれない。

無駄な時間を過ごしているようにみえるかもしれない。

 

でも、大丈夫。

 

それを無駄な時間にするか。

価値ある未来のための大切な時間になるかは、今の、これからのあなたの行動が決めるのだから。