一言で言うと斬新な映画だった。
今まで見たことないような、独特のドキュメンタリーだった。
その理由はまず主人公がホームレスと言う異質な存在だったからだ。
この主人公はホームレスといっても、普段の生活は一般の人と変わらず、働いてもいる。
ただ、屋根とベッドがないだけだ。
1主人公が求める本当に欲しいものだけを選択した価値観。
この映画が、上映されある程度いる人がいると言う事は、大量生産大量消費の時代が終わり自ら好きなものに没頭すると言う新たな価値観が主流にになりつつあるのだと感じさせられる。
彼は一見何も持っていないようで大切なものを周りにたくさん持っている。
それは友人である。
彼は裕福なお金がなく、安心して眠れるねドコモないが、信頼のおける仲間が数多くいる。
よく映画で見る大富豪は、お金は持っているものの周りに信頼をおける人がおらず常に自分の財産を狙われてるのではないかと言う恐怖感に襲われている。
しかしこの主人公は何も持っていない。
そう奪われるものがないのだ。
だからこそ自分のやりたいことにフォーカスし、誰に何を思われようとも自分が幸せであり続けるのだ。
中盤までは私は他人の目を気にせず自分が進む道を生きればいいと言うメッセージの方と感じた。
しかし、この映画はそんな単純なものではなかった。
主人公は自分の生活は楽しいと思う反面、どこか自分の生活に満足しておらず、家もないそんな自分を惨めに思うシーンが度々あった。
そのシーンを見てからはこの主人公は、決して自分の現場には満足しておらず、ふがいない自分を責めないように、精神安定として自分の生活を肯定しているのだと気づいた。
だからこそ、映画の中で時折見せる本人の本音が垣間見えて、いかにも人間らしい作品となっている。
この映画のすばらしいところはその1点に尽きると思う。
SNSでは本人の1番輝いている部分しか聞いて取られない。
だからこそこの人は完璧なんだと度々誤解してしまうことがある。
しかしどんなに優れた人間であっても完璧な人生を送っている人など1人もいないと私は思っている。
どこか自分の中でかと思っていて、このままでいいのか、自分をもっとできないかと悩んでいる部分が多々ある。
しかしインターネットの部分ではこの人間の弱みの部分はほとんど触れていない。
だから他人を妬み本意では無いこともときには口走ってしまう。
この映画は、人間の弱さを吐露した作品となっている。
それゆえに多くの人を惹きつける。
人から尊敬されたい、認められたい。
そんな欲求もあるだろう。
だから極力そういう弱い自分は押さえ込み、理想の自分を演じる。
しかしそれが本当に良いことなのか。
強い人間が良いことなのか。
根本的な問いに戻ってもらいたい。
私の持論にはなるが、弱さは強さだと思う。
完璧な人間などこの世に1人もいない。
だから自分の弱さを隠す事は、信用をドブに捨てているようなものと同じだと思っている。
弱さを見せるから人から信頼され、協力を得ることができる。
この映画の主人公は、一見つ的に自分を演出していたが、実際のところはホームレス。
それが彼の魅力だ。
彼はただ単にスマートな生活をしているだけであっては、誰も惹きつけることができないだろう。
弱い一面があり、人間らしい部分をさらけ出すことで厚い熱い信頼を勝ち得たに違いない。