今回紹介するのは、ライオン 25年目のただいま
舞台はインドで行われ、現地の様子がリアルに表現されており、国の違いを感じさせられた映画でした。
あらすじはざっというと、主人公のサルーが幼少期に無人の列車に乗ってしまい、気づけば故郷のインドから遠く離れたベンガルまで来てしまいます。
完全に迷子になったサルーはいろんな人に会い、危険にされされ、命からがら逃げてきました。
しかし、最終的には施設に入れられそこで暮らしていました。
そんな毎日を過ごしていたサルーにオーストラリアに引き取り手、つまり養子に欲しいという人物が現れた。
その家族に引き取られ、サルーは成人になるまで愛をたくさん受けて育つことができた。
順風満帆にも思えた日常だったが、サルーは故郷に残っている家族のことが気になっていた。
自分だけこんなに平凡に暮らしていてはいけない。家族に無事ということを伝えなければ、家族はまだ自分を探しているかもしれない。
そう思ったサルーは自分が乗っていた汽車の速度と時間を計算し、自分がどのあたりから来たかを推測します。
想像がつく通り、情報量が少なすぎてほとんど自分がどのあたりに住んでいて生活していたかは検討が付きません。
しかし、あきらめず探した結果ついにサルーは自分の家を見つけ、家族と奇跡の再開をしました。
(最も仲が良かった兄はサルーが行方不明になったときに亡くなっていました。)
サルーの家族はサルーは必ず帰ってくると信じ、決して住む場所を変えようとしませんでした。
それが、奇跡の再開につながったのです。
この映画は実際に映像を見ることで、その時々の現状やけなげに生きる一人の主人公のたくましさ、そして家族愛にふれることができます。
一つ一つの描写に緊張感や人の温かさがあり、感情を動かされる映画となっていました。
特に私が気持ちを動かされたのは、サルーを引き取ったオーストラリアの両親です。
彼らは、自分では子供を作らず、親のいない困っている子供たちを引き取ることで自分の人生に意義を持たせようとする素晴らしい人格者だったのです。
ふつうそんなことができるでしょうか。
誰だって,自分と血のつながった家族が欲しいはず。
そこを世界には、親がおらず、苦しんでいる子供たちがたくさんいると、敢えてそういう子供たちを引き取り十分すぎる愛を与えながら、育てたこの両親は素晴らしいと思います。
そうやって、世界中の人が誰かを思い助け合うことができる深い愛のある人になれば、この世に争いごとはなくなるかもしれません。
これは実話に基づいた映画で、世界に希望を与えるような作品となっていました。